墓埋法〜間違いやすいポイントとは

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23e84a79cf02784fc215719b4b1b6577_s「墓埋法」という法律、内容はもちろん名前をご存じの方も少ないのではないでしょうか。しかしお墓や火葬、納骨にまつわる基本的な法律ですから、これからお墓を持とうという方や、お墓を受け継ぐことになった方は、一度目を通しておいてもよいと思います。市民生活における民法のように、関係するほとんどの行為の基礎になるものです。

墓埋法の全文は、政府が行っている電子政府プロジェクトの「法令データ提供システム」に掲載されています(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO048.html)。しかし、法律独特の表現で書かれていますから、どうしてもわかりにくいところ、誤解しやすいところがあります。
今回は簡単に、誤解しやすいポイントを解説しましょう。

火葬許可証と埋葬許可証の違い

9c44b6442f358bd14b4f1d9fb49ea94b_sもっとも誤解が生まれているのが、「火葬許可証と埋葬許可証の違い」ではないでしょうか。
葬儀は「ご遺体を火葬→ご遺骨を墓地に埋葬(納骨)」という流れで進みます。そこで「火葬の際に火葬許可証、埋葬の際に埋葬許可証が必要」という思い込みが生まれがちです。しかし実際には、火葬許可証があれば火葬〜納骨まで行えることになっています。墓埋法では以下のようになっています。

第十四条  墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。
2  納骨堂の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない。
3  火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。

第十四条の1項で「焼骨の埋蔵」と書かれているのが、火葬したご遺骨の納骨を指します。3項で書かれているのが、火葬についてです。火葬と納骨(焼骨の埋蔵)は、火葬許可証があればできることがわかりますね。では「埋葬許可証」は何かと言うと、土葬を行う際に交付される許可証のことです。法律用語では、埋葬とは土葬のことを指すわけですね。

どんな場合でも分骨の許可は必要?

pixta_17547986_Sご実家と都会のお墓など、ご遺骨を複数の箇所に納骨する場合には「分骨証明書」が必要になります。このことから、「手元供養品のためにご遺骨をとりわける場合にも分骨証明書がいる」と考えておられる方もいるようですが、これも誤りです。
分骨に関しては、墓埋法ではなく「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に記載があります。

第五条
 墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があつたときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない。
2 焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。

第1項で書かれている「事実を証する書類」が、一般に言う「分骨証明書」のことになります。ここでポイントになるのが、「他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者」という表記。つまり、すでに埋蔵されているお骨を分骨し、他のお墓に新たに納骨しようとする場合のことです(なお「改葬」扱いになるので、改葬許可証は必要になります)。つまり、手元供養品にする場合やお仏壇に安置するなど他の理由で分骨する場合は、分骨証明書をもらう必要はないということです。お墓を開けるわけですから、お墓の管理者に連絡して作業を依頼する必要はありますが、証明書は必要ないのです。

ことが法律ですから、どうしても誤読や誤解はつきもの。解釈が難しいところは、石材店のスタッフ(お墓ディレクターがベストです)にご相談ください。

墓埋法〜間違いやすいポイントとは

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23e84a79cf02784fc215719b4b1b6577_s「墓埋法」という法律、内容はもちろん名前をご存じの方も少ないのではないでしょうか。しかしお墓や火葬、納骨にまつわる基本的な法律ですから、これからお墓を持とうという方や、お墓を受け継ぐことになった方は、一度目を通しておいてもよいと思います。市民生活における民法のように、関係するほとんどの行為の基礎になるものです。

墓埋法の全文は、政府が行っている電子政府プロジェクトの「法令データ提供システム」に掲載されています(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO048.html)。しかし、法律独特の表現で書かれていますから、どうしてもわかりにくいところ、誤解しやすいところがあります。
今回は簡単に、誤解しやすいポイントを解説しましょう。

火葬許可証と埋葬許可証の違い

9c44b6442f358bd14b4f1d9fb49ea94b_sもっとも誤解が生まれているのが、「火葬許可証と埋葬許可証の違い」ではないでしょうか。
葬儀は「ご遺体を火葬→ご遺骨を墓地に埋葬(納骨)」という流れで進みます。そこで「火葬の際に火葬許可証、埋葬の際に埋葬許可証が必要」という思い込みが生まれがちです。しかし実際には、火葬許可証があれば火葬〜納骨まで行えることになっています。墓埋法では以下のようになっています。

第十四条  墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。
2  納骨堂の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない。
3  火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。

第十四条の1項で「焼骨の埋蔵」と書かれているのが、火葬したご遺骨の納骨を指します。3項で書かれているのが、火葬についてです。火葬と納骨(焼骨の埋蔵)は、火葬許可証があればできることがわかりますね。では「埋葬許可証」は何かと言うと、土葬を行う際に交付される許可証のことです。法律用語では、埋葬とは土葬のことを指すわけですね。

どんな場合でも分骨の許可は必要?

pixta_17547986_Sご実家と都会のお墓など、ご遺骨を複数の箇所に納骨する場合には「分骨証明書」が必要になります。このことから、「手元供養品のためにご遺骨をとりわける場合にも分骨証明書がいる」と考えておられる方もいるようですが、これも誤りです。
分骨に関しては、墓埋法ではなく「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」に記載があります。

第五条
 墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があつたときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない。
2 焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。

第1項で書かれている「事実を証する書類」が、一般に言う「分骨証明書」のことになります。ここでポイントになるのが、「他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者」という表記。つまり、すでに埋蔵されているお骨を分骨し、他のお墓に新たに納骨しようとする場合のことです(なお「改葬」扱いになるので、改葬許可証は必要になります)。つまり、手元供養品にする場合やお仏壇に安置するなど他の理由で分骨する場合は、分骨証明書をもらう必要はないということです。お墓を開けるわけですから、お墓の管理者に連絡して作業を依頼する必要はありますが、証明書は必要ないのです。

ことが法律ですから、どうしても誤読や誤解はつきもの。解釈が難しいところは、石材店のスタッフ(お墓ディレクターがベストです)にご相談ください。