墓石に刻む文字

投稿日:

最近は和型墓石だけでなく、洋型暮石やオリジナル墓石を選択する人が増えてきて、豊富なラインナップからデザインを選ぶことができるようになってきました。
それに伴い、墓石に刻む文字も以前とは違った内容のものが選ばれるようになってきています。どんなものがあるのでしょうか?

和型墓石に彫る文字

伝統的な縦長の墓石の和型墓石ですが、このタイプの墓石は中央に据えられた縦長の棹石(さおいし)に文字を刻むのが定番です。刻まれる文字の中で最も一般的なものが、「○○家乃墓」という文面です。宗派に限らず広く使われており、見たことのある方が多いと思います。
では、宗派によって使われる文字にはどんな違いがあるのでしょうか。「南無阿弥陀仏」のような題目が彫られたお墓を目することもあるかと思いますが、これは名号(みょうごう)と呼ばれており、宗派ごとに彫ることができる名号は決められています。どんな名号があるか見ていきましょう。

【天台宗】
大日如来を表す「ア」・もしくは阿弥陀如来を表す「キリーク」という梵字の後に「南無阿弥陀仏」と彫刻します。
【真言宗】
大日如来を表す「ア」という梵字の後に「南無大師遍照金剛」もしくは「○○家先祖代々」と彫刻します。
真言宗の開祖は空海です。「大師」は弘法大師、「遍照金剛」は空海が唐で修行をしていた時に授かった名前です。
【浄土宗】
「南無阿弥陀仏」と彫刻します。
【浄土真宗】
「南無阿弥陀仏」の他、「俱会一処(くえいっしょ)」と彫刻することが一般的です。
「俱会一処」とは仏説阿弥陀経に出てくる言葉で、浄土に往生すれば身分等の別なく皆平等に一緒に暮らせるという意味です。
【日蓮宗】
「南無妙法蓮華経」と彫刻するのが一般的です。ひげ文字で彫刻したり、「妙法」をひげ文字で彫刻した後に「○○家先祖代々」と彫刻します。
【曹洞宗】
円相を表す○を彫刻した後に「○○家先祖代々」と彫刻します。

また、神道では死を穢れのひとつと捉え、直接的表現を避けるため「○○家奥津城」または「○○家奥都城」と彫刻します。
詳しくは
◇神道のお葬式 〜諡「おくりな」について
◇神道のお墓
の記事をご覧ください。

洋型墓石に彫る文字

若干横に長い棹石が特徴の洋型墓石。最近は目にすることが増えてきたように思います。
横長の形態なので和型墓石の文言ではなく、棹石の面積を大きく使って漢字を一文字彫るのが一般的です。故人をイメージする字や好きだった字を選ぶ方が多いようです。
人気のある文字は「心、空、偲、悠、和、絆、望、夢」などですが、重複を避けるためデザイン文字のようなヴィジュアルにして差別化をはかることができます。
また、2〜3文字の好きな単語や、故人に送りたいメッセージ(英文を彫ることもできます)、イラストを彫るなど、様々な選択肢があります。今までとは違った「おしゃれな墓石」が身近になってきました。

書体や文字の色は何色が正しいの?

形態に関わらず、墓石に彫る書体に決まりはありません。楷書体・行書体・草書体・隷書体などがありますが、主に選ばれているのは楷書体行書体です。読みやすさは大切ですね。
文字の色は黒と白が一般的です。黒は関東・白は関西で使われるのが一般的です。
ですが、金色の文字を彫る地域もあります。九州地方の一部で続いている慣習のようです。

墓石に彫る文字に決まりはない

基本的に、墓石に彫る文字に厳密な決まりごとはありません。宗教的色彩が濃い和型墓石の場合は宗教と名号の関連性に気をつけなければいけませんが、故人を偲ぶ気持ちが込められていれば、どんな文字を刻んでも構いません。
大切な人が眠るお墓を美しい言葉で飾ってあげれば、故人だけでなく、お参りする人の気持ちも穏やかになるでしょう。ぜひ、素敵な文字を見つけてくださいね。

墓石に刻む文字

投稿日:

最近は和型墓石だけでなく、洋型暮石やオリジナル墓石を選択する人が増えてきて、豊富なラインナップからデザインを選ぶことができるようになってきました。
それに伴い、墓石に刻む文字も以前とは違った内容のものが選ばれるようになってきています。どんなものがあるのでしょうか?

和型墓石に彫る文字

伝統的な縦長の墓石の和型墓石ですが、このタイプの墓石は中央に据えられた縦長の棹石(さおいし)に文字を刻むのが定番です。刻まれる文字の中で最も一般的なものが、「○○家乃墓」という文面です。宗派に限らず広く使われており、見たことのある方が多いと思います。
では、宗派によって使われる文字にはどんな違いがあるのでしょうか。「南無阿弥陀仏」のような題目が彫られたお墓を目することもあるかと思いますが、これは名号(みょうごう)と呼ばれており、宗派ごとに彫ることができる名号は決められています。どんな名号があるか見ていきましょう。

【天台宗】
大日如来を表す「ア」・もしくは阿弥陀如来を表す「キリーク」という梵字の後に「南無阿弥陀仏」と彫刻します。
【真言宗】
大日如来を表す「ア」という梵字の後に「南無大師遍照金剛」もしくは「○○家先祖代々」と彫刻します。
真言宗の開祖は空海です。「大師」は弘法大師、「遍照金剛」は空海が唐で修行をしていた時に授かった名前です。
【浄土宗】
「南無阿弥陀仏」と彫刻します。
【浄土真宗】
「南無阿弥陀仏」の他、「俱会一処(くえいっしょ)」と彫刻することが一般的です。
「俱会一処」とは仏説阿弥陀経に出てくる言葉で、浄土に往生すれば身分等の別なく皆平等に一緒に暮らせるという意味です。
【日蓮宗】
「南無妙法蓮華経」と彫刻するのが一般的です。ひげ文字で彫刻したり、「妙法」をひげ文字で彫刻した後に「○○家先祖代々」と彫刻します。
【曹洞宗】
円相を表す○を彫刻した後に「○○家先祖代々」と彫刻します。

また、神道では死を穢れのひとつと捉え、直接的表現を避けるため「○○家奥津城」または「○○家奥都城」と彫刻します。
詳しくは
◇神道のお葬式 〜諡「おくりな」について
◇神道のお墓
の記事をご覧ください。

洋型墓石に彫る文字

若干横に長い棹石が特徴の洋型墓石。最近は目にすることが増えてきたように思います。
横長の形態なので和型墓石の文言ではなく、棹石の面積を大きく使って漢字を一文字彫るのが一般的です。故人をイメージする字や好きだった字を選ぶ方が多いようです。
人気のある文字は「心、空、偲、悠、和、絆、望、夢」などですが、重複を避けるためデザイン文字のようなヴィジュアルにして差別化をはかることができます。
また、2〜3文字の好きな単語や、故人に送りたいメッセージ(英文を彫ることもできます)、イラストを彫るなど、様々な選択肢があります。今までとは違った「おしゃれな墓石」が身近になってきました。

書体や文字の色は何色が正しいの?

形態に関わらず、墓石に彫る書体に決まりはありません。楷書体・行書体・草書体・隷書体などがありますが、主に選ばれているのは楷書体行書体です。読みやすさは大切ですね。
文字の色は黒と白が一般的です。黒は関東・白は関西で使われるのが一般的です。
ですが、金色の文字を彫る地域もあります。九州地方の一部で続いている慣習のようです。

墓石に彫る文字に決まりはない

基本的に、墓石に彫る文字に厳密な決まりごとはありません。宗教的色彩が濃い和型墓石の場合は宗教と名号の関連性に気をつけなければいけませんが、故人を偲ぶ気持ちが込められていれば、どんな文字を刻んでも構いません。
大切な人が眠るお墓を美しい言葉で飾ってあげれば、故人だけでなく、お参りする人の気持ちも穏やかになるでしょう。ぜひ、素敵な文字を見つけてくださいね。