現在、お墓参りの時期として一般的に行われるのは、春秋のお彼岸、お盆、故人の命日、正月、年忌法要などですが、そもそもお墓参りは故人や先祖との面会。今の自分の姿を見せ語らう時間であり、供養でもあります。法要などを行うことだけが供養と思われがちですが、定期的にお墓参りをすることも立派な供養となります。そのためお墓参りに於いては、厳粛な決まり・マナーというものはそれ程ありません。あったとしても常識的範囲内の内容にとどまります。

ただし宗教によっては、考え方が異なるためその作法も様々。「仏式・神式・キリスト教式」と大きく３つの宗教におけるマナーを見てみましょう。

お墓参りの共通マナー

仏式・神式・キリスト教式にかかわらず、お墓参りに共通するマナーというものがあります。
まず、多くの魂が静かに眠る場所ですので「静かにする」のがマナーの１つです。言葉を発しない、など努めて気をつける必要はなく、（静かにしよう）と心に留める程度で問題ありません。大騒ぎするような場所ではない、ということです。
次に、お墓参りをする際には基本的に「お墓とその周りの掃除から」始めるのが２つ目のマナーです。暮石に水をかけ、苔や汚れはタワシなどを使って落とし、タオルで水気が残らないように拭き清めます。周辺の草や植木が伸びていれば短く刈りましょう。ちなみに、掃除以外で暮石の上から水をかけるのは、あまり良い行為ではありません。
３つ目のマナーとしては、暮石の前で手を合わせる時、できる限り「暮石よりも体を低くする」のがマナーです。お墓によっては体勢的に難しい場合もありますので、しゃがむなどして低くしようとする心持ちが大切です。

お墓参りの服装

宗教にかかわらず、初盆や法要以外の、ふだんの暮らしの中でご先祖に会いに行くお墓参りには、決まった服装はありません。但し、キリスト教式だけは、基本的に地味目な服装が良いようです。また、極端に華美な服装や香りの強い香水などは避けるのがマナーです。
お墓の掃除をする際、服が汚れる可能性もありますので、エプロンを持参すると良いでしょう。

供物を何にするか、どのような服装・格好で訪れるか、ということで深く悩む必要はありません。故人が生前好きだった食べ物やタバコなどを周りに迷惑をかけない範囲内で供え、そして一番大切なのは、どのような気持ちで訪れるかです。故人や先祖を偲び感謝の気持ちを持って、お墓を訪れたいですね。