ペットの供養

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ペットを喪うことは家族を喪うこと

542eaf16530c06125df0f87aa0b31fbf_s少子高齢化、核家族化が進んだ現代の日本では、ペットを大切な家族の一員だと考える方々が増えています。四六時中一緒にいたり、衣装やカットに気を配ったり、まさに人生の伴侶といってもいい存在です。しかしペットとして飼育されることが多い犬や猫は、悲しいかな人間よりも大幅に寿命が短い。10歳で長生きの部類、15歳を超えるのはまれです。つまり子犬子猫から飼いはじめても、かならず愛するペットを見送らなければならないタイミングは来るのです。家族同然のペットを失うということは非常に辛いことで、その悲しみや喪失感を表す「ペットロス」という言葉も一般的になり、またペットロスから回復するためのグリーフケアに取り込む動きも本格化してきました。

ペットの供養は、ペットロスからの癒やしの儀式でもあるのです。

ペットの供養について見ていく前に、ペットが亡くなったときにまず何をすればいいのか、順を追って見ていきましょう。

  1. 遺体の清拭
  2. きれいなシーツやバスタオルに遺体を移しましょう。防水性のあるシートを使うと便利です。お別れの前に、体全体をきれいにします。これまでと同じように丁寧にブラッシングし、拭いてあげてください。

  3. 安置する
  4. 亡くなって時間が経つと、死後硬直が起きます。犬や猫などはおよそ2時間ほどで硬直が始まります。手足を伸ばした状態だと、折り曲げられなくなってしまいます。リラックスして寝ているような形に整えてあげましょう。納棺する場合は、棺の大きさも考えます。また、まぶたを閉じ、舌を納めて口を閉じます。

  5. 身体を冷やし、お別れの準備をする
  6. 市販の保冷剤やドライアイスを用いて、頭部と腹部を中心に冷やします。バスタオルで体を覆ってあげるといいでしょう。お水、好きだったフードやおやつ、おもちゃなどを供えます。お香やアロマキャンドルを焚いてもよいでしょう。

  7. 行政への届け出
  8. ペットの犬が亡くなったときは、ほとんどの場合お住まいの自治体に届け出をする必要があります。登録時に発行された鑑札とともに、死亡届を提出します。市役所や町役場、出張所、葬儀場などで手続きが可能です。実際にどのような手続きが必要なのかは、自治体やペットショップなどに問い合わせてみましょう。

  9. ペット仲間への連絡
  10. 毎朝の散歩ですれ違っていた、ドッグランに行くたびに遊んでいたなど、ペットを通してコミュニケーションをとっていた知人、友人はいらっしゃるでしょう。皆さん、「最近姿が見えないけど……」と気にかけてくださっているはず。「できればお線香でも」と思われる方々でしょうから、できればご一報差し上げるのがよいと思います。

    ペット供養の実際

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    先ほど触れたように、ペットが家族の一員だと考えられるようになったのはごく最近のこと。つまり、ペットの供養や葬儀についての決まりはまだありません。飼い主とご家族の皆さんが納得できるように、心ゆくまでお別れをしてください。葬儀はペットとの最後の心のふれあいの場です。
    たとえば、以下のようなお別れの例があります。

    • ・大好きなおもちゃと一緒に
    • ・大好きだったおやつとご飯を供えて
    • ・膝の上で撫でながら最後のブラッシングをしてあげた
    • ・毛布でくるんでいつも寝ていたベッドに
    • ・同じ寝室で最後の夜を過ごした
    • ペット用の葬儀を行う葬儀社では、おおよそこのような流れで葬儀を行うようです。

      死亡の確認→祭壇の準備→お通夜→お葬式→出棺・火葬

      火葬は業者に依頼する場合と自治体にお願いする場合があります。自治体にお願いすると合同での火葬となり、遺骨は戻ってきません。あくまで廃棄物としての扱いになってしまいますので、手元にお骨を残しておきたい場合は業者に依頼しましょう。

      業者に依頼した場合は、施設での火葬と移動火葬車によるものと2種類あります。
      施設火葬は、人間の場合と同様に火葬場で行われ、合同火葬と個別火葬があります。合同火葬の場合はお骨が混ざってしまいますが、飼い主の方によっては「他のペットと一緒なのでさみしくないのではないか」と思われる方もおられるようです。料金は個別のほうが高く、亡くなったペットの体重に応じて変わります。猫であれば3万円台、犬だと4万〜5万円台になるようです。

      移動火葬車は、炉を積んだ特別な車を自宅近くまで移動して駐車場などで火葬を行います。施設での火葬と比べてのメリットは、希望する日程で自宅で火葬を行うことができること。業者によっては深夜や早朝でも対応できます。他にも思い出の場所や散歩コースなどで火葬にすることができます。炉の大きさには制限がありますので、大型犬など身体が大きいペットの場合は対応できないこともあります。また、ご自宅近くに駐車場などのスペースが確保できない場合も難しいようです。

      ペット霊園

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      人間と同様、ペット用の霊園も増えてきました。葬儀を行える会葬場や待合室、法要のための施設、納骨堂などが併設されている場合も増えています。また、前項で説明した火葬が行える施設が併設されている場合もあります。

      墓域は、個別の場合と合葬の場合があります。個別の場合は敷地の広さや墓石、装飾などさまざまなこだわりを活かして弔いをすることができます。人間の場合と同様に、初期費用と管理費、墓石脳購入・設置費など費用はかかりますが、きちんとしたお墓を建てることができます。デザイン墓石、墓石への彫刻などを行うこともできます。費用は初期費用として15万円ほど、年間の管理費は5〜6千円程度のことが多いようです。
      人間で言うところの永代供養墓のように、合葬墓のスタイルを取る場合もあります。定期的な法要や、毎日の維持管理などは安心できるところです。
      また最近は、自然散骨を行う霊園も出てきました。指定された敷地内の自然へと還します。粉骨加工を施した遺骨を、飼い主本人が散骨します。このスペースにお参りする場合は、管理事務所に断ってからのことが多いようです。海洋散骨、樹木葬などを行う方も増えています。敷地内での散骨はもちろん、自然の場所での散骨についても法的にはほとんど問題がないという見解がありますので、ご安心ください。

      合葬墓、散骨などの場合は、遺骨の一部をペンダントなど手元供養品として身近においておく方が多いといいます。ペット用の手元供養品には、元気だった頃のペットの姿を焼きつけたメモリアルカプセルや、ペットのDNAを抽出したペンダントなど人間用とは違うものもあります。

      人間のお墓に一緒に入ることができる霊園も出てきています。これも一族代々の「家族墓」スタイルからの脱却ということが言えるでしょうね。ペットはやはり人間よりも早く亡くなってしまいますから、先にペットが眠っているお墓に後から飼い主が入る、という順序になります。お墓の取得手続きなどは一般の人間用の霊園墓地とまったく同じです。

ペットの供養

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ペットを喪うことは家族を喪うこと

542eaf16530c06125df0f87aa0b31fbf_s少子高齢化、核家族化が進んだ現代の日本では、ペットを大切な家族の一員だと考える方々が増えています。四六時中一緒にいたり、衣装やカットに気を配ったり、まさに人生の伴侶といってもいい存在です。しかしペットとして飼育されることが多い犬や猫は、悲しいかな人間よりも大幅に寿命が短い。10歳で長生きの部類、15歳を超えるのはまれです。つまり子犬子猫から飼いはじめても、かならず愛するペットを見送らなければならないタイミングは来るのです。家族同然のペットを失うということは非常に辛いことで、その悲しみや喪失感を表す「ペットロス」という言葉も一般的になり、またペットロスから回復するためのグリーフケアに取り込む動きも本格化してきました。

ペットの供養は、ペットロスからの癒やしの儀式でもあるのです。

ペットの供養について見ていく前に、ペットが亡くなったときにまず何をすればいいのか、順を追って見ていきましょう。

  1. 遺体の清拭
  2. きれいなシーツやバスタオルに遺体を移しましょう。防水性のあるシートを使うと便利です。お別れの前に、体全体をきれいにします。これまでと同じように丁寧にブラッシングし、拭いてあげてください。

  3. 安置する
  4. 亡くなって時間が経つと、死後硬直が起きます。犬や猫などはおよそ2時間ほどで硬直が始まります。手足を伸ばした状態だと、折り曲げられなくなってしまいます。リラックスして寝ているような形に整えてあげましょう。納棺する場合は、棺の大きさも考えます。また、まぶたを閉じ、舌を納めて口を閉じます。

  5. 身体を冷やし、お別れの準備をする
  6. 市販の保冷剤やドライアイスを用いて、頭部と腹部を中心に冷やします。バスタオルで体を覆ってあげるといいでしょう。お水、好きだったフードやおやつ、おもちゃなどを供えます。お香やアロマキャンドルを焚いてもよいでしょう。

  7. 行政への届け出
  8. ペットの犬が亡くなったときは、ほとんどの場合お住まいの自治体に届け出をする必要があります。登録時に発行された鑑札とともに、死亡届を提出します。市役所や町役場、出張所、葬儀場などで手続きが可能です。実際にどのような手続きが必要なのかは、自治体やペットショップなどに問い合わせてみましょう。

  9. ペット仲間への連絡
  10. 毎朝の散歩ですれ違っていた、ドッグランに行くたびに遊んでいたなど、ペットを通してコミュニケーションをとっていた知人、友人はいらっしゃるでしょう。皆さん、「最近姿が見えないけど……」と気にかけてくださっているはず。「できればお線香でも」と思われる方々でしょうから、できればご一報差し上げるのがよいと思います。

    ペット供養の実際

    5fb73019c8449852b3be1e0fe12642f6_s

    先ほど触れたように、ペットが家族の一員だと考えられるようになったのはごく最近のこと。つまり、ペットの供養や葬儀についての決まりはまだありません。飼い主とご家族の皆さんが納得できるように、心ゆくまでお別れをしてください。葬儀はペットとの最後の心のふれあいの場です。
    たとえば、以下のようなお別れの例があります。

    • ・大好きなおもちゃと一緒に
    • ・大好きだったおやつとご飯を供えて
    • ・膝の上で撫でながら最後のブラッシングをしてあげた
    • ・毛布でくるんでいつも寝ていたベッドに
    • ・同じ寝室で最後の夜を過ごした
    • ペット用の葬儀を行う葬儀社では、おおよそこのような流れで葬儀を行うようです。

      死亡の確認→祭壇の準備→お通夜→お葬式→出棺・火葬

      火葬は業者に依頼する場合と自治体にお願いする場合があります。自治体にお願いすると合同での火葬となり、遺骨は戻ってきません。あくまで廃棄物としての扱いになってしまいますので、手元にお骨を残しておきたい場合は業者に依頼しましょう。

      業者に依頼した場合は、施設での火葬と移動火葬車によるものと2種類あります。
      施設火葬は、人間の場合と同様に火葬場で行われ、合同火葬と個別火葬があります。合同火葬の場合はお骨が混ざってしまいますが、飼い主の方によっては「他のペットと一緒なのでさみしくないのではないか」と思われる方もおられるようです。料金は個別のほうが高く、亡くなったペットの体重に応じて変わります。猫であれば3万円台、犬だと4万〜5万円台になるようです。

      移動火葬車は、炉を積んだ特別な車を自宅近くまで移動して駐車場などで火葬を行います。施設での火葬と比べてのメリットは、希望する日程で自宅で火葬を行うことができること。業者によっては深夜や早朝でも対応できます。他にも思い出の場所や散歩コースなどで火葬にすることができます。炉の大きさには制限がありますので、大型犬など身体が大きいペットの場合は対応できないこともあります。また、ご自宅近くに駐車場などのスペースが確保できない場合も難しいようです。

      ペット霊園

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      人間と同様、ペット用の霊園も増えてきました。葬儀を行える会葬場や待合室、法要のための施設、納骨堂などが併設されている場合も増えています。また、前項で説明した火葬が行える施設が併設されている場合もあります。

      墓域は、個別の場合と合葬の場合があります。個別の場合は敷地の広さや墓石、装飾などさまざまなこだわりを活かして弔いをすることができます。人間の場合と同様に、初期費用と管理費、墓石脳購入・設置費など費用はかかりますが、きちんとしたお墓を建てることができます。デザイン墓石、墓石への彫刻などを行うこともできます。費用は初期費用として15万円ほど、年間の管理費は5〜6千円程度のことが多いようです。
      人間で言うところの永代供養墓のように、合葬墓のスタイルを取る場合もあります。定期的な法要や、毎日の維持管理などは安心できるところです。
      また最近は、自然散骨を行う霊園も出てきました。指定された敷地内の自然へと還します。粉骨加工を施した遺骨を、飼い主本人が散骨します。このスペースにお参りする場合は、管理事務所に断ってからのことが多いようです。海洋散骨、樹木葬などを行う方も増えています。敷地内での散骨はもちろん、自然の場所での散骨についても法的にはほとんど問題がないという見解がありますので、ご安心ください。

      合葬墓、散骨などの場合は、遺骨の一部をペンダントなど手元供養品として身近においておく方が多いといいます。ペット用の手元供養品には、元気だった頃のペットの姿を焼きつけたメモリアルカプセルや、ペットのDNAを抽出したペンダントなど人間用とは違うものもあります。

      人間のお墓に一緒に入ることができる霊園も出てきています。これも一族代々の「家族墓」スタイルからの脱却ということが言えるでしょうね。ペットはやはり人間よりも早く亡くなってしまいますから、先にペットが眠っているお墓に後から飼い主が入る、という順序になります。お墓の取得手続きなどは一般の人間用の霊園墓地とまったく同じです。