神道のお墓
神道式墓石の基本構成
神道のお墓にもいくつかヴァリエーションがあるようですが、基本的にはイラストのような構成となっています。大まかなイメージとしては、私たちがよく目にする仏式のお墓と変わらないと思いますが、各部分やお供えするものなど、細かいところに明確な違いが現れています。
右のイラストを基に、神道式のお墓の特徴を見ていきましょう。
①角兜巾型(かくときんがた)
墓石の中で、台の一番高いところに乗っている部分を「棹石(さおいし・「竿石」とも)」と呼びますが、神道式の棹石は「角柱型(かくちゅうがた)」という縦に細長い独特の形をしています。
さらに天井部分は「兜巾型(ときんがた)」と呼ばれる特殊な形状をしているのも特徴です。四角錐の形に磨き上げられており、棹石の部分と合わせて三種の神器の一つである天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の形を模しているという説が有力です。
それぞれの名称を合わせて「角兜巾型」と呼ばれます。
②正面文字「奥津城(おくつき)」
仏式の棹石には「○○家之墓」と刻字されますが、神道式では「○○家奥津城」または「○○家奥都城」と刻字されます。
「奥」は奥深い場所の「奥」や「置く」を意味し、「津」「都」は接続助詞の「つ」にあたり現代語の「の」に相当します(「まつ毛」は「ま(「目」の古語)」「つ=の」「毛」という意味)。また「城」は棚・壁などで四辺を取り囲んだ場所を指し、転じて「柩(ひつぎ)」を意味します。
つまり「奥津城」「奥都城」は「奥深い所にあって外部から遮られた領域」や「柩を置く場所」を意味しています。
「津」と「都」の違いですが、前者は神官や氏子などを勤めた人に、後者は一般信徒に使われていたようですが、最近は特に分けて考えることも少ないようです。
「墓」という直接的な名称で呼ぶことをせず、婉曲的表現としているのは、神道では死を「穢れ」の一つとして認識しており、それを避けるためであると考えられます。
③八足台(はっそくだい)
台の左右の脚が4本ずつ、合計8本あることに由来します。お供え物を置く台のことです。
神道ではお線香を上げることはせず、従って香炉はありません。代わりに八足台に神道独自のものをお供えします。代表的なものは「玉串(たまぐし)」という、榊(さかき)の枝に紙をつけたものです。また水・洗米・塩・御神酒(おみき)といった神饌(しんせん)をお供えするのも神道式ならではのものです。
イラストのように、八足台を挟むように「花台」が据えられていることが多いですが、神道式では仏花をお供えせず、榊をお供えするために置かれています。
また、イラストでは省略していますが、仏式の「墓誌」にあたるものは「霊標(れいびょう)」と呼ばれ、諡を刻字することが多いようです。
神道のお墓
神道式墓石の基本構成
神道のお墓にもいくつかヴァリエーションがあるようですが、基本的にはイラストのような構成となっています。大まかなイメージとしては、私たちがよく目にする仏式のお墓と変わらないと思いますが、各部分やお供えするものなど、細かいところに明確な違いが現れています。
右のイラストを基に、神道式のお墓の特徴を見ていきましょう。
①角兜巾型(かくときんがた)
墓石の中で、台の一番高いところに乗っている部分を「棹石(さおいし・「竿石」とも)」と呼びますが、神道式の棹石は「角柱型(かくちゅうがた)」という縦に細長い独特の形をしています。
さらに天井部分は「兜巾型(ときんがた)」と呼ばれる特殊な形状をしているのも特徴です。四角錐の形に磨き上げられており、棹石の部分と合わせて三種の神器の一つである天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の形を模しているという説が有力です。
それぞれの名称を合わせて「角兜巾型」と呼ばれます。
②正面文字「奥津城(おくつき)」
仏式の棹石には「○○家之墓」と刻字されますが、神道式では「○○家奥津城」または「○○家奥都城」と刻字されます。
「奥」は奥深い場所の「奥」や「置く」を意味し、「津」「都」は接続助詞の「つ」にあたり現代語の「の」に相当します(「まつ毛」は「ま(「目」の古語)」「つ=の」「毛」という意味)。また「城」は棚・壁などで四辺を取り囲んだ場所を指し、転じて「柩(ひつぎ)」を意味します。
つまり「奥津城」「奥都城」は「奥深い所にあって外部から遮られた領域」や「柩を置く場所」を意味しています。
「津」と「都」の違いですが、前者は神官や氏子などを勤めた人に、後者は一般信徒に使われていたようですが、最近は特に分けて考えることも少ないようです。
「墓」という直接的な名称で呼ぶことをせず、婉曲的表現としているのは、神道では死を「穢れ」の一つとして認識しており、それを避けるためであると考えられます。
③八足台(はっそくだい)
台の左右の脚が4本ずつ、合計8本あることに由来します。お供え物を置く台のことです。
神道ではお線香を上げることはせず、従って香炉はありません。代わりに八足台に神道独自のものをお供えします。代表的なものは「玉串(たまぐし)」という、榊(さかき)の枝に紙をつけたものです。また水・洗米・塩・御神酒(おみき)といった神饌(しんせん)をお供えするのも神道式ならではのものです。
イラストのように、八足台を挟むように「花台」が据えられていることが多いですが、神道式では仏花をお供えせず、榊をお供えするために置かれています。
また、イラストでは省略していますが、仏式の「墓誌」にあたるものは「霊標(れいびょう)」と呼ばれ、諡を刻字することが多いようです。