お仏壇の起源とその特徴

投稿日:

お仏壇の起源

お仏壇お仏壇と云いますと、黒塗りの金仏壇や美しい木目を生かした唐木仏壇を思い浮かべますがその歴史は意外にも古く、天武14年(西暦685年)天武天皇が家ごとに仏舎をつくって仏像・経巻をおき、礼拝供養するよう勅令を出した、ということが『日本書紀』に書かれています。直接の起源は他にもあるようですが、「家の中で礼拝供養できる小さなお寺」として毎日手を合わせ祈ることが段々と広まり、江戸時代、身分を問わずいずれかの寺院へ所属し、檀家となることを義務付けた檀家制度(寺請制度)の普及とともに確実にお仏壇は人々の生活へ定着していきました。

お仏壇のその内部は寺院の内陣を模して彫刻などで飾られていますが、まさしくこれが「家の中のお寺」といわれる所以。お仏壇の中は仏さまのおいでになる理想の世界、須弥山(しゅみせん)をあらわしており、中心には本尊(ほんぞん)を祀ります。位牌を祀るのは、亡くなった人は全て成仏する(仏になる)という仏教の考え方によるもの。ご先祖をお祀りするわけですがお仏壇の中心は、亡くなった人ではなくあくまでも本尊というわけです。

お仏壇の種類

お仏壇には大きく分けて「金仏壇」と「唐木仏壇」の2種類があります。そして現代のお仏壇ともいうべき「家具調仏壇」というものも登場し、このタイプを選択する方も増えています。
「金仏壇」は主に真宗系の仏壇として使用され、その他の宗派は唐木仏壇とされています。金仏壇は全体に黒漆で塗られ、内部は金箔や金粉を施し蒔絵、彫刻、錺金具などの技巧による豪華さが特徴です。対して「唐木仏壇」は、黒檀や紫檀などの美しい木目を生かした仏壇で、金仏壇に比べシンプルなものとなっています。日本の伝統的な美意識の「わび、さび」を表現しているともいえるでしょう。そんなところから金仏壇の外見は「金閣寺」、唐木仏壇は「銀閣寺」と例えられることもあります。
そして唐木仏壇の方が金仏壇に比べて予算的にもお手軽です。

「家具調仏壇」は昔ながらの金仏壇や唐木仏壇とは異なり、洋間などにも合う材質やデザインで作られた新しい形のお仏壇です。お仏壇も家庭事情や趣向に合わせ柔軟に変化し、今尚我々の生活に深く関係し心の拠り所となっているのです。

お仏壇に対する海外の反応

日本では、古くから仏教の教えと共にあるお仏壇ですが、海外ではどうなのでしょうか。
アジア諸国での仏教は、日本と比べより強く深く生活に根付いているのとお国柄もあって日本のお仏壇よりオープンに壇も広く明るく祀っていたり、偶像崇拝を禁じているキリスト教では、仏壇のようなものは普通の家にはなく教会へ行ってお祈りを捧げることとしていたりします。(厳密には細かい宗派によるところもありますが)
欧米などの国々では、多くの人種が一緒に暮らしているためお仏壇も案外手に入れやすいと聞きます。国は違えど、ご先祖や亡くなった仏様への供養の心を持って海外でもお仏壇を祀っている人がいるのを想像すると、温かい気持ちになりますがそれと共に心配にもなります。海外の人たちからすると「お仏壇の装飾や作りはなんてクールなんだ!」という意見もあるようですが、お仏壇の中にある遺影に語りかけ微笑んだり涙したりお願いする私たちの行為を見ると、「何をしているんだ?頭がおかしいのか!?」と思われる方もいるのだそうです。お仏壇を持つ意味など知り得ない人たちからすると、不審に思われるのでしょうね(笑)

お仏壇のこれから

金仏壇や唐木仏壇は100万前後するものもありますが、お墓離れや仏壇離れが見られる中、自宅供養の流れが生まれ非常にコンパクトでスタイリッシュなお仏壇が誕生しています。
自宅墓(手元供養)という考え方も最近メジャーになってきたように感じます。どういった形で個人を供養するか、よりも残された方々が気持ちを込めて供養したいという想いを優先することで、現代人のライフスタイルに合ったお仏壇の新しいカタチが生まれているのです。

お仏壇の起源とその特徴

投稿日:

お仏壇の起源

お仏壇お仏壇と云いますと、黒塗りの金仏壇や美しい木目を生かした唐木仏壇を思い浮かべますがその歴史は意外にも古く、天武14年(西暦685年)天武天皇が家ごとに仏舎をつくって仏像・経巻をおき、礼拝供養するよう勅令を出した、ということが『日本書紀』に書かれています。直接の起源は他にもあるようですが、「家の中で礼拝供養できる小さなお寺」として毎日手を合わせ祈ることが段々と広まり、江戸時代、身分を問わずいずれかの寺院へ所属し、檀家となることを義務付けた檀家制度(寺請制度)の普及とともに確実にお仏壇は人々の生活へ定着していきました。

お仏壇のその内部は寺院の内陣を模して彫刻などで飾られていますが、まさしくこれが「家の中のお寺」といわれる所以。お仏壇の中は仏さまのおいでになる理想の世界、須弥山(しゅみせん)をあらわしており、中心には本尊(ほんぞん)を祀ります。位牌を祀るのは、亡くなった人は全て成仏する(仏になる)という仏教の考え方によるもの。ご先祖をお祀りするわけですがお仏壇の中心は、亡くなった人ではなくあくまでも本尊というわけです。

お仏壇の種類

お仏壇には大きく分けて「金仏壇」と「唐木仏壇」の2種類があります。そして現代のお仏壇ともいうべき「家具調仏壇」というものも登場し、このタイプを選択する方も増えています。
「金仏壇」は主に真宗系の仏壇として使用され、その他の宗派は唐木仏壇とされています。金仏壇は全体に黒漆で塗られ、内部は金箔や金粉を施し蒔絵、彫刻、錺金具などの技巧による豪華さが特徴です。対して「唐木仏壇」は、黒檀や紫檀などの美しい木目を生かした仏壇で、金仏壇に比べシンプルなものとなっています。日本の伝統的な美意識の「わび、さび」を表現しているともいえるでしょう。そんなところから金仏壇の外見は「金閣寺」、唐木仏壇は「銀閣寺」と例えられることもあります。
そして唐木仏壇の方が金仏壇に比べて予算的にもお手軽です。

「家具調仏壇」は昔ながらの金仏壇や唐木仏壇とは異なり、洋間などにも合う材質やデザインで作られた新しい形のお仏壇です。お仏壇も家庭事情や趣向に合わせ柔軟に変化し、今尚我々の生活に深く関係し心の拠り所となっているのです。

お仏壇に対する海外の反応

日本では、古くから仏教の教えと共にあるお仏壇ですが、海外ではどうなのでしょうか。
アジア諸国での仏教は、日本と比べより強く深く生活に根付いているのとお国柄もあって日本のお仏壇よりオープンに壇も広く明るく祀っていたり、偶像崇拝を禁じているキリスト教では、仏壇のようなものは普通の家にはなく教会へ行ってお祈りを捧げることとしていたりします。(厳密には細かい宗派によるところもありますが)
欧米などの国々では、多くの人種が一緒に暮らしているためお仏壇も案外手に入れやすいと聞きます。国は違えど、ご先祖や亡くなった仏様への供養の心を持って海外でもお仏壇を祀っている人がいるのを想像すると、温かい気持ちになりますがそれと共に心配にもなります。海外の人たちからすると「お仏壇の装飾や作りはなんてクールなんだ!」という意見もあるようですが、お仏壇の中にある遺影に語りかけ微笑んだり涙したりお願いする私たちの行為を見ると、「何をしているんだ?頭がおかしいのか!?」と思われる方もいるのだそうです。お仏壇を持つ意味など知り得ない人たちからすると、不審に思われるのでしょうね(笑)

お仏壇のこれから

金仏壇や唐木仏壇は100万前後するものもありますが、お墓離れや仏壇離れが見られる中、自宅供養の流れが生まれ非常にコンパクトでスタイリッシュなお仏壇が誕生しています。
自宅墓(手元供養)という考え方も最近メジャーになってきたように感じます。どういった形で個人を供養するか、よりも残された方々が気持ちを込めて供養したいという想いを優先することで、現代人のライフスタイルに合ったお仏壇の新しいカタチが生まれているのです。