インターネット霊園

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23e84a79cf02784fc215719b4b1b6577_sインターネットというものが我々の生活に浸透するようになって、もう20年ほどになるでしょうか。
1995年のWindows95、98年のWindows98というOS(パソコンの基礎となるソフト)が発売されたのが契機でしょう。半透明でカラフルなボディが特徴的だったiMacが発売されたのも1998年でした。いろとりどりのiMacがクルクル回るテレビCMをご記憶の方もおられるでしょう。あの頃から、パソコンは一部のITに詳しい人のものから、職場では一人に一台、家庭でも一家に一台置かれるようになりました。今では、スマートフォンの普及でパソコンと同じ機能を持つ端末を誰もが持ち歩いていることになります。

さて、このインターネット時代だからこそ登場したサービスの中に、「インターネット霊園」というものがあります。ネット上のウェブサイトでお墓参りをしたり、供花やお線香をあげたりできるというものです。実際のお墓や納骨堂を管理しているお寺や霊園管理団体などが運営しているものと、インターネット上だけに存在するものとがあります。前者は参拝代行サービスと提携している場合もあり、ネットから申し込むことで実際のお墓にお線香を上げていただくこともできます。

9c44b6442f358bd14b4f1d9fb49ea94b_sネット上だけにしかないサービスは味気ない、とお思いだとしたらそれは間違いかもしれません。
あるインターネット霊園では、サイト上での供花やお線香に加えて、「記帳」を行うことができます。これはいわゆるBBS、電子掲示板の形式になっているのです。パスワードが必要なご遺族や関係者限定のものもありますが、「友人一同」によって建立されたインターネット墓の記帳は一般公開され、さまざまな方々が記帳の書き込みをしておられます。本来の狙いどおり、実際のお墓には遠くてお参りに行けないご親戚や知人の方もいらっしゃいますが、同じインターネット霊園サービスを利用しておられる方が「ご近所ですから」とご記帳にいらしていたり、意外な形でも交流が行われていることもあるようです。また、記帳された書き込みは蓄積されていきますから、毎年の命日、故人の誕生日などに残された記帳を遡って読むことができ、アクセスした人はそこに積み重ねられていく弔いの歴史を垣間見ることができます。あるインターネット霊園では、ネット上に建立されてから10年以上書き連ねられた、故人への季節折々の呼びかけの数々を見ることができます。お参りや弔いのスタイルは家族だけのもので、なかなか他の人がうかがい知ることはできません。それを共有できるのも、インターネットが世間に浸透した現代ならではでしょう。

インターネット霊園

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1995年のWindows95、98年のWindows98というOS(パソコンの基礎となるソフト)が発売されたのが契機でしょう。半透明でカラフルなボディが特徴的だったiMacが発売されたのも1998年でした。いろとりどりのiMacがクルクル回るテレビCMをご記憶の方もおられるでしょう。あの頃から、パソコンは一部のITに詳しい人のものから、職場では一人に一台、家庭でも一家に一台置かれるようになりました。今では、スマートフォンの普及でパソコンと同じ機能を持つ端末を誰もが持ち歩いていることになります。

さて、このインターネット時代だからこそ登場したサービスの中に、「インターネット霊園」というものがあります。ネット上のウェブサイトでお墓参りをしたり、供花やお線香をあげたりできるというものです。実際のお墓や納骨堂を管理しているお寺や霊園管理団体などが運営しているものと、インターネット上だけに存在するものとがあります。前者は参拝代行サービスと提携している場合もあり、ネットから申し込むことで実際のお墓にお線香を上げていただくこともできます。

9c44b6442f358bd14b4f1d9fb49ea94b_sネット上だけにしかないサービスは味気ない、とお思いだとしたらそれは間違いかもしれません。
あるインターネット霊園では、サイト上での供花やお線香に加えて、「記帳」を行うことができます。これはいわゆるBBS、電子掲示板の形式になっているのです。パスワードが必要なご遺族や関係者限定のものもありますが、「友人一同」によって建立されたインターネット墓の記帳は一般公開され、さまざまな方々が記帳の書き込みをしておられます。本来の狙いどおり、実際のお墓には遠くてお参りに行けないご親戚や知人の方もいらっしゃいますが、同じインターネット霊園サービスを利用しておられる方が「ご近所ですから」とご記帳にいらしていたり、意外な形でも交流が行われていることもあるようです。また、記帳された書き込みは蓄積されていきますから、毎年の命日、故人の誕生日などに残された記帳を遡って読むことができ、アクセスした人はそこに積み重ねられていく弔いの歴史を垣間見ることができます。あるインターネット霊園では、ネット上に建立されてから10年以上書き連ねられた、故人への季節折々の呼びかけの数々を見ることができます。お参りや弔いのスタイルは家族だけのもので、なかなか他の人がうかがい知ることはできません。それを共有できるのも、インターネットが世間に浸透した現代ならではでしょう。