広がる埋葬方法の選択肢⑤手元供養

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これまでご紹介してきたさまざまな埋葬方法は、屋内外問わず埋葬場所に足を運ぶ必要がありました。
ですが近年、埋葬の最終形態ともいうべき手元供養の認知度が高まりつつあります。
なぜ、手元供養という埋葬方法が広まり、受け入れられているのか。その背景を考えながら、手元供養について詳しく見ていきます。あなたやご家族の方にとって、これまでよりも希望に近い選択肢が増えるきっかけになれば幸いです。

手元供養の歴史

実は、手元供養が日本で営まれるようになったのは今から15年ほど前のこと。まだまだ新しい埋葬方法です。高齢化・単身世帯化が進み、なかなかお墓に行くことがままならなくなった方や身体の自由が効かなくなってきた方のために、お墓をもっと身近に感じてもらうために考え出された埋葬方法です。いつでも亡くなった大切な方と一緒に過ごすことができる、宗教や宗派を超え、より個人に寄り添った形で故人を供養することができるという価値観が徐々に定着し始めています。
手元供養は、分骨の一種です。遺骨を全てひとつのお墓に納めるのではなく、2箇所以上別々の場所に納骨することをいい、お墓から家が遠く離れていたり、家族が遠方に住んでいるためという理由で選択することが多いようです。
その代わり、分骨は個人で自由にはおこなえません。

手元供養の種類

手元供養にはどのような種類があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

遺骨ペンダント

常に身につけていられるアクセサリーに、遺骨や遺灰の一部を中に納めることができます。お墓は遺骨が納められている場所に赴く必要がありますが、遺骨ペンダントなら、故人と一緒にいつでも、どこへでも出かけることができます。
素材や形も様々です。シルバー・ゴールド・チタンだけでなく、UVレジン(UV紫外線ライトを当てて固める特殊な樹脂素材)やガラス製のものなどは遺骨が外から見えるようになっており、故人をより身近に感じることができるでしょう。
またペンダントだけでなく、ブレスレットやリングにすることもできます。自分にあった形のアクセサリーを選びましょう
気をつけなければいけないのは防水性です。遺骨のコンディションのことを考えると、防水対策をしっかりおこなっているかはとても重要なポイントとなります。特に外出に限らず、日頃家事をしているだけでも水気に触れますし、汗や皮脂なども劣化の原因になります。
また、アクセサリーである以上、金具の緩みや傷・汚れが目立ってくるということも避けられません。きちんとした会社ならば、アフターケアも万全にしているもの。しっかりリサーチして選びましょう

ミニ骨壷

骨壷は必ずお墓に納めるものですがら、ずっと一緒にいることはできません。それでも、いつまでも手元に置いておきたいという思いが強い方は、ミニ骨壷という選択肢があります。
金属・ガラス・陶器の他にも、七宝のようなハイクオリティの工芸品のような骨壷もあり、インテリアに合わせて選ぶことが可能です。また、スペースや、納める遺骨の量に合わせたサイズを選ぶようにしましょう。
特に、可愛らしい色合いの丸みをおびたミニ骨壷は、赤ちゃんを亡くしてしまった方が選ばれることが多いようです。
こちらも遺骨ペンダントと同じ、密閉性が高いことが大切なポイントです。遺骨にとって湿気は大敵ですし、転倒してしまった時に遺骨が飛び散ることがないので安心できます。
いつまでも手元で大切に供養するために、悔いのないものを選びましょう。

ミニ仏壇・ミニ仏具

仏壇というと豪華絢爛・大掛かりなもの・お金がかかるというイメージが強いのではないでしょうか。仏教思想に基づいているというだけで敷居が高く感じる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、故人のために祈る場として、仏壇は欠かせない存在です。そんな仏壇が、今、手元供養のためにとてもコンパクトな「ミニ仏壇」として登場するようになってきました。
仏壇という名ではありますが、写真立てのような形のものや手箱式、シンプルでモダンなビーイングフレームなど様々なラインナップがあり、宗教色を感じさせません。
仏壇に必要な基本の三具足(花立て・香立て・火立て)やおりん(音を鳴らす仏具)といった仏具も、ミニサイズでかつおしゃれなデザインのもので揃えることができるようになっています。全体的にコンパクトにまとめられており、日常空間に溶け込めるような工夫が凝らされています。
スペースの問題は、現代の住宅事情を考えると避けては通れません。無理に大きな仏壇を置いて空間を阻害してしまうよりも、すっぱりとコンパクトなミニ仏壇にして、インテリアの一部として楽しみながら日々手軽にお参りができたら、とても素敵ですね。

手元供養の存在意義

手元供養が受け入れられたのは、大切な人を亡くした悲しみや辛さを、遺族がゆっくり時間をかけて、自分自身の力で癒すことができるからです。物理的な距離や手間などでお墓から足が遠のき、故人を思う気持ちも薄まってしまうより、コンパクトではあっても常に一緒にいられることができたら、遺族も故人もとても幸せなのではないでしょうか。
お墓のデザインはある程度決まってしまっています。もっと気軽に、ヴァリエーション豊かにおしゃれな感覚で供養に関するものを選べたら、お墓自体をもっとカジュアルに考えるきっかけになるかもしれませんし、自分自身の最後を少しでも明るくイメージすることができるようになるかもしれません。
そんな、遺族に優しい供養があってもいいのではないかと思うのです。

広がる埋葬方法の選択肢⑤手元供養

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これまでご紹介してきたさまざまな埋葬方法は、屋内外問わず埋葬場所に足を運ぶ必要がありました。
ですが近年、埋葬の最終形態ともいうべき手元供養の認知度が高まりつつあります。
なぜ、手元供養という埋葬方法が広まり、受け入れられているのか。その背景を考えながら、手元供養について詳しく見ていきます。あなたやご家族の方にとって、これまでよりも希望に近い選択肢が増えるきっかけになれば幸いです。

手元供養の歴史

実は、手元供養が日本で営まれるようになったのは今から15年ほど前のこと。まだまだ新しい埋葬方法です。高齢化・単身世帯化が進み、なかなかお墓に行くことがままならなくなった方や身体の自由が効かなくなってきた方のために、お墓をもっと身近に感じてもらうために考え出された埋葬方法です。いつでも亡くなった大切な方と一緒に過ごすことができる、宗教や宗派を超え、より個人に寄り添った形で故人を供養することができるという価値観が徐々に定着し始めています。
手元供養は、分骨の一種です。遺骨を全てひとつのお墓に納めるのではなく、2箇所以上別々の場所に納骨することをいい、お墓から家が遠く離れていたり、家族が遠方に住んでいるためという理由で選択することが多いようです。
その代わり、分骨は個人で自由にはおこなえません。

手元供養の種類

手元供養にはどのような種類があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

遺骨ペンダント

常に身につけていられるアクセサリーに、遺骨や遺灰の一部を中に納めることができます。お墓は遺骨が納められている場所に赴く必要がありますが、遺骨ペンダントなら、故人と一緒にいつでも、どこへでも出かけることができます。
素材や形も様々です。シルバー・ゴールド・チタンだけでなく、UVレジン(UV紫外線ライトを当てて固める特殊な樹脂素材)やガラス製のものなどは遺骨が外から見えるようになっており、故人をより身近に感じることができるでしょう。
またペンダントだけでなく、ブレスレットやリングにすることもできます。自分にあった形のアクセサリーを選びましょう
気をつけなければいけないのは防水性です。遺骨のコンディションのことを考えると、防水対策をしっかりおこなっているかはとても重要なポイントとなります。特に外出に限らず、日頃家事をしているだけでも水気に触れますし、汗や皮脂なども劣化の原因になります。
また、アクセサリーである以上、金具の緩みや傷・汚れが目立ってくるということも避けられません。きちんとした会社ならば、アフターケアも万全にしているもの。しっかりリサーチして選びましょう

ミニ骨壷

骨壷は必ずお墓に納めるものですがら、ずっと一緒にいることはできません。それでも、いつまでも手元に置いておきたいという思いが強い方は、ミニ骨壷という選択肢があります。
金属・ガラス・陶器の他にも、七宝のようなハイクオリティの工芸品のような骨壷もあり、インテリアに合わせて選ぶことが可能です。また、スペースや、納める遺骨の量に合わせたサイズを選ぶようにしましょう。
特に、可愛らしい色合いの丸みをおびたミニ骨壷は、赤ちゃんを亡くしてしまった方が選ばれることが多いようです。
こちらも遺骨ペンダントと同じ、密閉性が高いことが大切なポイントです。遺骨にとって湿気は大敵ですし、転倒してしまった時に遺骨が飛び散ることがないので安心できます。
いつまでも手元で大切に供養するために、悔いのないものを選びましょう。

ミニ仏壇・ミニ仏具

仏壇というと豪華絢爛・大掛かりなもの・お金がかかるというイメージが強いのではないでしょうか。仏教思想に基づいているというだけで敷居が高く感じる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、故人のために祈る場として、仏壇は欠かせない存在です。そんな仏壇が、今、手元供養のためにとてもコンパクトな「ミニ仏壇」として登場するようになってきました。
仏壇という名ではありますが、写真立てのような形のものや手箱式、シンプルでモダンなビーイングフレームなど様々なラインナップがあり、宗教色を感じさせません。
仏壇に必要な基本の三具足(花立て・香立て・火立て)やおりん(音を鳴らす仏具)といった仏具も、ミニサイズでかつおしゃれなデザインのもので揃えることができるようになっています。全体的にコンパクトにまとめられており、日常空間に溶け込めるような工夫が凝らされています。
スペースの問題は、現代の住宅事情を考えると避けては通れません。無理に大きな仏壇を置いて空間を阻害してしまうよりも、すっぱりとコンパクトなミニ仏壇にして、インテリアの一部として楽しみながら日々手軽にお参りができたら、とても素敵ですね。

手元供養の存在意義

手元供養が受け入れられたのは、大切な人を亡くした悲しみや辛さを、遺族がゆっくり時間をかけて、自分自身の力で癒すことができるからです。物理的な距離や手間などでお墓から足が遠のき、故人を思う気持ちも薄まってしまうより、コンパクトではあっても常に一緒にいられることができたら、遺族も故人もとても幸せなのではないでしょうか。
お墓のデザインはある程度決まってしまっています。もっと気軽に、ヴァリエーション豊かにおしゃれな感覚で供養に関するものを選べたら、お墓自体をもっとカジュアルに考えるきっかけになるかもしれませんし、自分自身の最後を少しでも明るくイメージすることができるようになるかもしれません。
そんな、遺族に優しい供養があってもいいのではないかと思うのです。