お墓参りの花について

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供花にふさわしいお花とは

ec9c8a8f3e2f72ec3ac5b471b5652d4b_sお墓にお参りするときにお供えするお花、供花(くげ・きょうか、または仏花ともいう)。仏様へのお供えには、「香(線香)」「花(供花)」「灯明」「浄水」「飲食(おんじき と読みます)」の5つがあるとされ、これを「五供」といいます。このそれぞれに心を込めてお供えすることが、仏様への気持ちを表すことになる、とされています。
この中でもひんぱんにお世話になるのが供花でしょう。現代の日本のお墓では、ほとんどの場合花立を造り付けにしますので、ここにお花を供えると便利ですね。

お供えする花ですが、種類の決まりはありません。花屋さんでは菊の花を「仏花」として売っているのをよく見かけますが、仏教としての決まりはないのです。ただ、トゲのある花、ヒガンバナのような毒のある花、においが強い花、つる植物の花は避けたほうがよいとされています。いずれも、宗教上の理由というよりはお墓の手入れや管理をしてくださる方への気配りをする目的ですね。また、最近では花粉が多い花は避ける、という意見もあるようです。これも、墓石が汚れてしまうため掃除に手間がかかるからです。

また、ドライフラワーや造花でも問題はありません。もちろん生花を準備するのが一番ですが、心を込めてお供えすることが一番です。

なによりも、お墓に祀られている仏様に直接手向けるものですから、祀られている方が好きだったお花を供えるのが一番でしょう。先に「トゲがある花は……」と書きましたが、バラが好きな方であれば、バラの季節にはバラをお供えしたい。その場合は、お墓を管理している方に「故人が好きだったものですから、バラをお供えしてあります」と一言断れば万事問題ありません。

ここまで「供花には決まりはありませんよ」というお話しをしてきましたが、お花の供え方にはちょっとした習わしがあります。お花を花立に生ける際には、お参りする人側に正面を向けましょう。「仏様に供えるんだから、正面を仏様に向けるべきでは?」と思われる方もいるとは思います。なぜこうするかというと、実はお参りする人のためなのです。お墓に供えられた供花は、御仏の慈悲をあらわします。お参りする人は、供花で飾られた本尊に対面することによって、心が清められるからだということです。

また、神式のお墓の場合には供花の代わりに榊(さかき)を用いる場合があります。榊は、神様の世界と人間の世界の境を表す木だとされています。また、「栄える」という意味合いもあるということで、神様の存在を示したり、縁起のよさを表す木ですので、神道の世界では広く用いられています。ご家庭に神棚があるお宅では、お供えした榊を月に二回交換しています。

石で造られたお墓は一度建てたらあまり変化のないものですが、供花には季節によってさまざまな彩りを加えることができます。故人を偲ぶよすがに、いろいろなお花をお供えしてみてはいかがでしょうか。

お墓参りの花について

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供花にふさわしいお花とは

ec9c8a8f3e2f72ec3ac5b471b5652d4b_sお墓にお参りするときにお供えするお花、供花(くげ・きょうか、または仏花ともいう)。仏様へのお供えには、「香(線香)」「花(供花)」「灯明」「浄水」「飲食(おんじき と読みます)」の5つがあるとされ、これを「五供」といいます。このそれぞれに心を込めてお供えすることが、仏様への気持ちを表すことになる、とされています。
この中でもひんぱんにお世話になるのが供花でしょう。現代の日本のお墓では、ほとんどの場合花立を造り付けにしますので、ここにお花を供えると便利ですね。

お供えする花ですが、種類の決まりはありません。花屋さんでは菊の花を「仏花」として売っているのをよく見かけますが、仏教としての決まりはないのです。ただ、トゲのある花、ヒガンバナのような毒のある花、においが強い花、つる植物の花は避けたほうがよいとされています。いずれも、宗教上の理由というよりはお墓の手入れや管理をしてくださる方への気配りをする目的ですね。また、最近では花粉が多い花は避ける、という意見もあるようです。これも、墓石が汚れてしまうため掃除に手間がかかるからです。

また、ドライフラワーや造花でも問題はありません。もちろん生花を準備するのが一番ですが、心を込めてお供えすることが一番です。

なによりも、お墓に祀られている仏様に直接手向けるものですから、祀られている方が好きだったお花を供えるのが一番でしょう。先に「トゲがある花は……」と書きましたが、バラが好きな方であれば、バラの季節にはバラをお供えしたい。その場合は、お墓を管理している方に「故人が好きだったものですから、バラをお供えしてあります」と一言断れば万事問題ありません。

ここまで「供花には決まりはありませんよ」というお話しをしてきましたが、お花の供え方にはちょっとした習わしがあります。お花を花立に生ける際には、お参りする人側に正面を向けましょう。「仏様に供えるんだから、正面を仏様に向けるべきでは?」と思われる方もいるとは思います。なぜこうするかというと、実はお参りする人のためなのです。お墓に供えられた供花は、御仏の慈悲をあらわします。お参りする人は、供花で飾られた本尊に対面することによって、心が清められるからだということです。

また、神式のお墓の場合には供花の代わりに榊(さかき)を用いる場合があります。榊は、神様の世界と人間の世界の境を表す木だとされています。また、「栄える」という意味合いもあるということで、神様の存在を示したり、縁起のよさを表す木ですので、神道の世界では広く用いられています。ご家庭に神棚があるお宅では、お供えした榊を月に二回交換しています。

石で造られたお墓は一度建てたらあまり変化のないものですが、供花には季節によってさまざまな彩りを加えることができます。故人を偲ぶよすがに、いろいろなお花をお供えしてみてはいかがでしょうか。