頻繁にお墓参りをして、こまめに掃除などケアをしていても、墓石は自然のものなのでいずれは劣化します。拭いても研磨しても汚れが落ちない、ひび割れ、土台の劣化など、明らかに修繕では追いつかない状態になると建て替えを検討することになります。ここでは、建て替えの手順、費用、期間についてまとめてみます。

建て替えの手順

お墓を立て直すとなると、まずはお寺や石材店に相談することから始まります。お墓を建てるということは、それなりに大きな金額が必要になりますので、石材店に見積もりを依頼します。相場としては、だいたい100万円以上の金額になる場合も多いです。また、親戚への相談なく勝手に建て替えてしまうと、のちのちトラブルになってしまうことも考えられますので、相談や告知をしっかり済ませておくことも大切です。

立て直しが決まり、見積もり〜契約を済ましたら、いよいよ建て替えの作業に入ります。まずは、古い墓石から魂を抜く『閉眼供養』を行います。閉眼供養を終えたら、遺骨を取り出し、お寺・霊園に預けます。

閉眼供養のあとは、建て替えの工事が始まります。古い墓石を撤去し、新しい墓石を設置します。建て替えの時期に決まりはありませんが、2,3ヶ月の期間を要しますので、お盆などお墓参りをする時期を避けるのも一つです。

めでたく新しいお墓が出来上がりましたら、魂を入れる『開眼供養』を行います。ここで“めでたく”と書いたのですが、新しいお墓に建て替えることはご先祖様にとっては新築のお祝いと同じことですので、お祝いという考えをします。そのため、親戚の方たちはお祝いごととして、祝儀を贈ることになります。ただし、建て替えの時期に、親類がなくなってしまうなど、仏事が重なった場合は、お祝いではなくなりますのでご注意ください。その場合は、仏事として、御霊前、ご仏前を用意します。