改葬とは 2

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cc4a66a47471cfdddea1105e9cb47a32_sマイホームなら改築、法律なら改正、お店なら新装開店。ではお墓は? そうです、改葬です。
先に挙げた例は、「すでにあるものを改める」という意味合いで「改」という言葉を使います。しかしお墓の場合の「改葬」は、お墓を改装するということではなく、「改めて葬る」ということ。つまりお墓に納められているご遺骨を取り出し、新しいお墓に改めてお納めする、ということです。いってみれば、お墓の引っ越しですね。

お墓を引っ越しする場合、現在最も多いケースは「地方の実家近くにあるがお守りする人が近くにいなくなってしまったお墓を、都会に移す」というケース。お参りしやすく、お守りしやすいようにします。また、地方のご実家を引き払って完全に都会に拠点を移す場合もあるでしょう。このような場合は、実家の土地建物の処分なども含みますから、なかなか手配が大変です。

まず引越し先のお墓を用意することからはじめます。新しくお墓を求めるのと、手配の手順などは変わりません。公営の霊園では「ご遺骨がなければ申込不可」という制限がある場合がありますが、改葬でお骨があるわけですからこの条件はクリアできます。

法律上の手続きも発生します。面倒ですがきちんとしておかなければいけません。
必要な手続きは以下のとおりです。

  1. 1.お引越し先の霊園に「受入証明書」を発行してもらう
  2. 2.現在のお墓の管理者に「埋葬証明書」を発行してもらう
  3. 3.現在お墓がある市区町村の役所に「改葬許可申請書」を受け取る
  4. 4.申請書の必要事項を現在のお墓の管理者に記入してもらう
  5. 5.受入証明書、埋葬証明書、記入済みの改葬許可申請書の3点を現在お墓がある市区町村の役所に提出し、「改葬許可証」を受け取る
  6. 6.改葬許可証をお引越し先の霊園に提出し、改葬を行う
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      なかなか大変ですね!改葬許可証を申請する際に必要な書類は、自治体によって異なります。埋葬されている方の除籍済みの戸籍謄本などが求められることがありますので、役所に問い合わせましょう。

      次に、お墓からお骨を出す、ということですので、ここはお坊様にお願いして法要を営んで頂く必要があります。寺院墓地ならそのお寺のお坊様にお願いしましょう。民営の墓地でも、運営している宗教法人がありますから、そちらにご紹介をお願いします。公営の霊園の場合は霊園側が特定のお寺やお坊様をご紹介してくださるということは難しいのですが、墓石を求める石材店にすれば、よいお坊様をご紹介していただけるでしょう。

      改葬の際に行う法要は、お骨をお出しする際の「閉眼法要」、新たなお墓にお納めする際の「開眼法要」です。閉眼法要は「お魂抜き」とも言うとおり、お墓から魂を抜くための法要です。これによって、墓石は「お墓」から普通の「石」に戻ります。開眼法要はその逆で、普通の石をお墓にするための法要です。ことわざに「仏造って魂入れず」と言いますが、お墓だけでなく仏像も「開眼」させなければ単なる石や金属の像に過ぎません。法要をして魂を入れることで、はじめて仏様になるのです。

改葬とは 2

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先に挙げた例は、「すでにあるものを改める」という意味合いで「改」という言葉を使います。しかしお墓の場合の「改葬」は、お墓を改装するということではなく、「改めて葬る」ということ。つまりお墓に納められているご遺骨を取り出し、新しいお墓に改めてお納めする、ということです。いってみれば、お墓の引っ越しですね。

お墓を引っ越しする場合、現在最も多いケースは「地方の実家近くにあるがお守りする人が近くにいなくなってしまったお墓を、都会に移す」というケース。お参りしやすく、お守りしやすいようにします。また、地方のご実家を引き払って完全に都会に拠点を移す場合もあるでしょう。このような場合は、実家の土地建物の処分なども含みますから、なかなか手配が大変です。

まず引越し先のお墓を用意することからはじめます。新しくお墓を求めるのと、手配の手順などは変わりません。公営の霊園では「ご遺骨がなければ申込不可」という制限がある場合がありますが、改葬でお骨があるわけですからこの条件はクリアできます。

法律上の手続きも発生します。面倒ですがきちんとしておかなければいけません。
必要な手続きは以下のとおりです。

  1. 1.お引越し先の霊園に「受入証明書」を発行してもらう
  2. 2.現在のお墓の管理者に「埋葬証明書」を発行してもらう
  3. 3.現在お墓がある市区町村の役所に「改葬許可申請書」を受け取る
  4. 4.申請書の必要事項を現在のお墓の管理者に記入してもらう
  5. 5.受入証明書、埋葬証明書、記入済みの改葬許可申請書の3点を現在お墓がある市区町村の役所に提出し、「改葬許可証」を受け取る
  6. 6.改葬許可証をお引越し先の霊園に提出し、改葬を行う
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      なかなか大変ですね!改葬許可証を申請する際に必要な書類は、自治体によって異なります。埋葬されている方の除籍済みの戸籍謄本などが求められることがありますので、役所に問い合わせましょう。

      次に、お墓からお骨を出す、ということですので、ここはお坊様にお願いして法要を営んで頂く必要があります。寺院墓地ならそのお寺のお坊様にお願いしましょう。民営の墓地でも、運営している宗教法人がありますから、そちらにご紹介をお願いします。公営の霊園の場合は霊園側が特定のお寺やお坊様をご紹介してくださるということは難しいのですが、墓石を求める石材店にすれば、よいお坊様をご紹介していただけるでしょう。

      改葬の際に行う法要は、お骨をお出しする際の「閉眼法要」、新たなお墓にお納めする際の「開眼法要」です。閉眼法要は「お魂抜き」とも言うとおり、お墓から魂を抜くための法要です。これによって、墓石は「お墓」から普通の「石」に戻ります。開眼法要はその逆で、普通の石をお墓にするための法要です。ことわざに「仏造って魂入れず」と言いますが、お墓だけでなく仏像も「開眼」させなければ単なる石や金属の像に過ぎません。法要をして魂を入れることで、はじめて仏様になるのです。