お盆とは

投稿日:

新盆は

9f2de829be43e0d77a5dc5736dd19d1d_s

お盆は、亡くなられた方が極楽浄土から現世に戻ってくる、一年に一度の行事です。
 仏教はインドから中国を経由して日本にやって来ました。日本には日本式にアレンジされた仏教行事はたくさんありますが、中国でも同じようにアレンジが行われました。日本にはそのアレンジが加わった状態の仏教が伝来しましたから、いってみれば日本の仏教行事は「インド産中国アレンジ」だといえるでしょう。お盆もその一つです。そこに大きな影響を与えているのが、道教の「中元」という行事です。
 もともと道教には、三元(上元、中元、下元)という儀式いがあり、天地水の三人の神様が生まれた日とされています。中元はこのうちの一つ、地の神様が生まれた日で、これまでの罪を懺悔し、火を焚いて祈りを捧げる儀式の日です。
 日本では三元のうち中元だけがお盆と一緒に定着し、祖先の霊を供養し、世話になった人に贈り物を送る習慣(お中元)へと変化していったという説があるようです。
 そういえば、中元と言って火を焚くという習慣は現在の日本にはありませんが、逆にお盆の行事として迎え火、送り火などの火が焚かれますね。
現在のお盆では、死者が年に一度帰って来るという信仰に基づいた儀式が各地に残っています。

ご法事やお墓参りで亡くなった方々を悼むのは悲しみも伴うことですが、お盆ではその方々が戻ってくる。お迎えするのはうれしいことですね。特に、亡くなられてすぐの方のことは、記憶にも新しいものです。

亡くなられた方が最初に迎えるお盆を新盆といいます。
初盆・新盆の場合は、お寺から自宅に僧侶を招いて法事を行うのが一般的です。

このため、初盆・新盆を迎える場合には早めにお寺に連絡をして予約するのがよいでしょう。ご想像通り、この時期はお坊様は大忙しですから、なるべく早めにお願いしたほうが予定も合わせやすいし、お坊様も安心されると思います。
さらに初盆・新盆では、遺族や親族のみで法要を行う通常のお盆とは違い、故人と親しかった知人や友人なども招いて法要を行います。葬儀参列の名簿を参考に案内状を発送します。こちらも、予定が多く入る時期ですから可能な限り早いほうが気持ちよくご参会いただけるでしょう。

初盆に限りませんが、盆棚を作って亡くなられた方をお迎えしましょう。
精霊棚とも呼ばれ、地域や宗派によって飾る場所や飾り方の違いはありますが、基本的には、先祖の霊をお迎えするために作られる棚ということになります。

一般的には、8月12~13日頃に、仏壇の前にスペースを取りそこに盆棚を作ります。
盆棚ができたら、ご位牌を盆棚の中央に飾ります。ご位牌を出したら、仏壇の扉は閉めておくこと。棚の上に真菰のゴザを敷き、四隅に笹竹を立てて縄を張り結界を作ります。縄にはほおづきを吊るしましょう。
地方の大きなお宅ならいいのですが、都市部の集合住宅ではこれらの準備は行わずに、仏壇の前や横に小机を置くだけという方も増えています。
お盆には提灯を飾るのが恒例ですが、新盆の場合は白提灯が一般的です。白提灯と、それ以降に用いる絵柄の入った提灯の二種類があります。
新盆用に使用した後は、送り火で燃やすかお寺に納めて供養をしてもらいます。提灯は、お盆に、霊が迷わず戻って20b04fec6e9ef4a43861994e18061bf0_s来られるように、目印として飾ると言われています。
盆提灯は親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。
新盆用の白提灯は1つだけあれば良いでしょう。玄関先(あるいは、縁側の軒先などの、危なくない場所)に飾ります。絵柄の入った提灯は、精霊棚の両側や、仏壇の両側などに飾ります。絵柄の入った提灯の方は毎年使いますので、ホコリを払い、良く拭いて箱に入れて保管します。素材によっては、防虫剤を入れて下さい。

新盆のスケジュール

迎えるといつ何をしていいのかわからないのが法事の困ったところ。あくまで一例ですが、スケジュールを確認してみましょう。8月15日を中心とした日程で行われる場合の例です。

8月13日 お迎えの日(迎え火を焚く日)
[午前中]
精霊棚の飾り付け
お供物・供花

  • ・仏壇から位牌を出し、精霊棚の中央に置きます。仏壇の扉は閉じておきます。
  • ・精霊棚の飾り付けや、お供物や盆花をお供えします。

[日中]
お墓参り

・お墓までご先祖様の霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。
[夕方]
迎え火を焚く
提灯に火を灯す

・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。
・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して持って来た場合を除く)
14〜15日
お墓参り
法要と会食

・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。
・初盆の法要は、この日程のどこかで行います。お坊様の予定を確認し、時間が決まったら参会者にも伝えます。

法要は、以下のような手順で進みます。

  1. 1.お坊様の入場
    仏壇の前に僧侶の席をしつらえておきます。
    遺族は故人との血縁の濃い人が前の方に席をとります。仏壇中央の僧侶のすぐ後ろには施主が座ります。
    僧侶が到着したら、仏壇前の正面中央に案内します。
  2. 2.施主の挨拶
    集まってくださった方々へ、簡単に挨拶をします。
  3. 3.僧侶の読経
  4. 4.ご焼香
    施主から順番に、前の方に着席している人から焼香をしていきます。
  5. 5.お坊様の法話 
  6. 6.お坊様ご退場
    新盆でお坊様にお渡しするお布施の相場は、3~5万円となっています。
    お坊様が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、お斎の後でお渡しします。
    お斎は、場所を移していただくことが多いようです。
    おめでたい伊勢海老や、鯛などは献立は避けた方がよいので、お店を予約する際には「法事で利用します」と告げましょう。
    お斎の料理の金額(お斎代)めやすは、およそ下記のとおりです。故人の方のお立場や、地域のならわしなどによって変わります。
    • ・親族以外に会社関係や友人・知人なども出席する場合は5000〜10000円程度。
    • ・お寺で食事まですべてを行えるところもありますが、お寺で法要だけを行い、食事については周辺の料亭やレストラン等で手頃な会席を利用することもできます(お斎代3000〜10000円)。
      ただし会場がホテルの場合には8000円〜12000円程度。
    • ・自宅で行う場合なら、仕出しのお弁当などで3000〜5000円程度。
    • もし、僧侶がお斎での接待を辞退されたら、お布施、お車代、御膳料を包みます。お食事に同席される場合は、お布施、お車代をお渡しします。
      直接手渡しするのではなく、小さなお盆に載せて僧侶の方に向けて差し出します。

      • 7.墓参り
        墓地が遠い場合には省略されます。
      • 8.施主の挨拶
        施主のお礼の挨拶のあと、会食(御斎)になります。
        お礼と会食の案内を述べます。
        • ・ご先祖様の霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。

          16日 お送りの日(送り火を焚く日)
          [午前中]
          最後のお供えものをする

        • ・ご先祖様の霊が家で過ごす最後の朝なので、心をこめてお祈りをします。/

        [夕方]
        送り火を焚く

      • ・また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。

お盆とは

投稿日:

新盆は

9f2de829be43e0d77a5dc5736dd19d1d_s

お盆は、亡くなられた方が極楽浄土から現世に戻ってくる、一年に一度の行事です。
 仏教はインドから中国を経由して日本にやって来ました。日本には日本式にアレンジされた仏教行事はたくさんありますが、中国でも同じようにアレンジが行われました。日本にはそのアレンジが加わった状態の仏教が伝来しましたから、いってみれば日本の仏教行事は「インド産中国アレンジ」だといえるでしょう。お盆もその一つです。そこに大きな影響を与えているのが、道教の「中元」という行事です。
 もともと道教には、三元(上元、中元、下元)という儀式いがあり、天地水の三人の神様が生まれた日とされています。中元はこのうちの一つ、地の神様が生まれた日で、これまでの罪を懺悔し、火を焚いて祈りを捧げる儀式の日です。
 日本では三元のうち中元だけがお盆と一緒に定着し、祖先の霊を供養し、世話になった人に贈り物を送る習慣(お中元)へと変化していったという説があるようです。
 そういえば、中元と言って火を焚くという習慣は現在の日本にはありませんが、逆にお盆の行事として迎え火、送り火などの火が焚かれますね。
現在のお盆では、死者が年に一度帰って来るという信仰に基づいた儀式が各地に残っています。

ご法事やお墓参りで亡くなった方々を悼むのは悲しみも伴うことですが、お盆ではその方々が戻ってくる。お迎えするのはうれしいことですね。特に、亡くなられてすぐの方のことは、記憶にも新しいものです。

亡くなられた方が最初に迎えるお盆を新盆といいます。
初盆・新盆の場合は、お寺から自宅に僧侶を招いて法事を行うのが一般的です。

このため、初盆・新盆を迎える場合には早めにお寺に連絡をして予約するのがよいでしょう。ご想像通り、この時期はお坊様は大忙しですから、なるべく早めにお願いしたほうが予定も合わせやすいし、お坊様も安心されると思います。
さらに初盆・新盆では、遺族や親族のみで法要を行う通常のお盆とは違い、故人と親しかった知人や友人なども招いて法要を行います。葬儀参列の名簿を参考に案内状を発送します。こちらも、予定が多く入る時期ですから可能な限り早いほうが気持ちよくご参会いただけるでしょう。

初盆に限りませんが、盆棚を作って亡くなられた方をお迎えしましょう。
精霊棚とも呼ばれ、地域や宗派によって飾る場所や飾り方の違いはありますが、基本的には、先祖の霊をお迎えするために作られる棚ということになります。

一般的には、8月12~13日頃に、仏壇の前にスペースを取りそこに盆棚を作ります。
盆棚ができたら、ご位牌を盆棚の中央に飾ります。ご位牌を出したら、仏壇の扉は閉めておくこと。棚の上に真菰のゴザを敷き、四隅に笹竹を立てて縄を張り結界を作ります。縄にはほおづきを吊るしましょう。
地方の大きなお宅ならいいのですが、都市部の集合住宅ではこれらの準備は行わずに、仏壇の前や横に小机を置くだけという方も増えています。
お盆には提灯を飾るのが恒例ですが、新盆の場合は白提灯が一般的です。白提灯と、それ以降に用いる絵柄の入った提灯の二種類があります。
新盆用に使用した後は、送り火で燃やすかお寺に納めて供養をしてもらいます。提灯は、お盆に、霊が迷わず戻って20b04fec6e9ef4a43861994e18061bf0_s来られるように、目印として飾ると言われています。
盆提灯は親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。
新盆用の白提灯は1つだけあれば良いでしょう。玄関先(あるいは、縁側の軒先などの、危なくない場所)に飾ります。絵柄の入った提灯は、精霊棚の両側や、仏壇の両側などに飾ります。絵柄の入った提灯の方は毎年使いますので、ホコリを払い、良く拭いて箱に入れて保管します。素材によっては、防虫剤を入れて下さい。

新盆のスケジュール

迎えるといつ何をしていいのかわからないのが法事の困ったところ。あくまで一例ですが、スケジュールを確認してみましょう。8月15日を中心とした日程で行われる場合の例です。

8月13日 お迎えの日(迎え火を焚く日)
[午前中]
精霊棚の飾り付け
お供物・供花

  • ・仏壇から位牌を出し、精霊棚の中央に置きます。仏壇の扉は閉じておきます。
  • ・精霊棚の飾り付けや、お供物や盆花をお供えします。

[日中]
お墓参り

・お墓までご先祖様の霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。
[夕方]
迎え火を焚く
提灯に火を灯す

・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。
・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して持って来た場合を除く)
14〜15日
お墓参り
法要と会食

・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。
・初盆の法要は、この日程のどこかで行います。お坊様の予定を確認し、時間が決まったら参会者にも伝えます。

法要は、以下のような手順で進みます。

  1. 1.お坊様の入場
    仏壇の前に僧侶の席をしつらえておきます。
    遺族は故人との血縁の濃い人が前の方に席をとります。仏壇中央の僧侶のすぐ後ろには施主が座ります。
    僧侶が到着したら、仏壇前の正面中央に案内します。
  2. 2.施主の挨拶
    集まってくださった方々へ、簡単に挨拶をします。
  3. 3.僧侶の読経
  4. 4.ご焼香
    施主から順番に、前の方に着席している人から焼香をしていきます。
  5. 5.お坊様の法話 
  6. 6.お坊様ご退場
    新盆でお坊様にお渡しするお布施の相場は、3~5万円となっています。
    お坊様が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、お斎の後でお渡しします。
    お斎は、場所を移していただくことが多いようです。
    おめでたい伊勢海老や、鯛などは献立は避けた方がよいので、お店を予約する際には「法事で利用します」と告げましょう。
    お斎の料理の金額(お斎代)めやすは、およそ下記のとおりです。故人の方のお立場や、地域のならわしなどによって変わります。
    • ・親族以外に会社関係や友人・知人なども出席する場合は5000〜10000円程度。
    • ・お寺で食事まですべてを行えるところもありますが、お寺で法要だけを行い、食事については周辺の料亭やレストラン等で手頃な会席を利用することもできます(お斎代3000〜10000円)。
      ただし会場がホテルの場合には8000円〜12000円程度。
    • ・自宅で行う場合なら、仕出しのお弁当などで3000〜5000円程度。
    • もし、僧侶がお斎での接待を辞退されたら、お布施、お車代、御膳料を包みます。お食事に同席される場合は、お布施、お車代をお渡しします。
      直接手渡しするのではなく、小さなお盆に載せて僧侶の方に向けて差し出します。

      • 7.墓参り
        墓地が遠い場合には省略されます。
      • 8.施主の挨拶
        施主のお礼の挨拶のあと、会食(御斎)になります。
        お礼と会食の案内を述べます。
        • ・ご先祖様の霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。

          16日 お送りの日(送り火を焚く日)
          [午前中]
          最後のお供えものをする

        • ・ご先祖様の霊が家で過ごす最後の朝なので、心をこめてお祈りをします。/

        [夕方]
        送り火を焚く

      • ・また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。