お墓参り、代行はあり?なし?

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昔から日本人がたしなんできた「代参」という文化

お墓のお世話で大切なのはなんでしょうか。もちろん年回法要も大事なことですが、普段から必要なのはお墓の草取り、掃除なのです。それに墓石もきちんと磨かなければそのうちに曇って欠けたり、苔むしたり……。とはいうものの、都会に出てきてしまった場合に、実家のお墓のお世話のためだけに里帰りを繰り返すのはなかなか難しいことでしょう。帰省する時間や費用面での余裕が仮にあったとしても、年齢を重ねてくればどうしても体に不調は出てくる。そうなったときに、たとえば夏のお盆前にお墓をきれいにしたいと思ったとしても、とてもその余力はない……。遠くにあるお墓というのは、大事にしたい気持ちがあってもなかなか思うに任せないものです。

霊園の管理者には霊園の使用料や管理費を払いますが、その「管理」に含まれるのは通路や水場などの共用部分の清掃まで。それぞれの墓地区画までは清掃の対象にはなりません。ですから、お墓の持ち主が自分でケアしなければいけないのです。

そんなニーズにこたえるために、最近ではお墓参りを代行するサービスが登場しています。サービスの内容は業者によって異なりますが、草取り・掃除はもちろん、墓石のクリーニングや撥水剤によるコーティング、水鉢や花立、香炉のクリーニングなども行ってくれます。また、お線香やお花を手向けてくれるプランもあるようですね。作業の前後には合掌礼拝を行い、さらに作業開始前と完了後にはお墓の状態を写真に撮って送ってくれるというサービスもあります。

df9ac5e781080ef92817f6f994025dee_sさて、皆さんもっとも気にされるのが「お墓のお世話を代行でお願いしてしまっていいのだろうか?」ということでしょう。もちろんご自分でなさるのが一番いいのですが、上で触れたようにどうしても難しいということは多いもの。このような場合には、代理をお願いするのはまったく問題のないことです。
江戸時代の昔から、誰かにお願いして神仏にお参りすることは日常的に行われてきました。これを「代参」といいます。江戸時代、庶民の間ではお伊勢参りが流行していましたが、徒歩で往復する伊勢神宮への旅はかなり身体的に厳しく、また費用面でもばかにならないものでした。とても毎年行くことはできません。そこで集落ごとに代表を立て、お金や食べ物を集め、「伊勢代参」として伊勢神宮へ出かける……ということが行われていたのです。各家持ち回りで行われていた伊勢代参は、集落の規模によっては何十年に一度しか回ってこない名誉なお役目。しかも、伊勢神宮に着いてお参りをした後には、日頃一生懸命貯めてきたお金でちょっとした豪遊を楽しむこともできる……ということでしたから、多くの人にとっては一世一代の大イベントだったと言えるでしょう。お伊勢様だけでなく、江戸で流行していた富士講(ふじこう)でも代参は行われていましたし、各地の神社には「そこにお参りすればお伊勢様にお参りしたのと同じことになる」という遥拝所も設けられていました。
このように、お参りは「その場に行くこと」も大切ですが、なによりも気持ちをきちんと表現することがもっとも重要だと思われていました。ご自宅のお仏壇に手を合わせたり、折に触れて故人を偲ぶ気持ちをきちんと表せば、お墓の手入れを他の方にお願いするのは恥じるべきことではないのです。

おすすめのサイト:
お墓の生花がなくなり次第お飾りします。神奈川県綾瀬市の墓地・霊園 “綾瀬中央霊園セントソフィア”
ご法事の前日にはご要望に応じでお墓を花で飾ります。東京都板橋区の墓地・霊園 “板橋ヒルトップセントソフィア”

お墓参り、代行はあり?なし?

投稿日:

昔から日本人がたしなんできた「代参」という文化

お墓のお世話で大切なのはなんでしょうか。もちろん年回法要も大事なことですが、普段から必要なのはお墓の草取り、掃除なのです。それに墓石もきちんと磨かなければそのうちに曇って欠けたり、苔むしたり……。とはいうものの、都会に出てきてしまった場合に、実家のお墓のお世話のためだけに里帰りを繰り返すのはなかなか難しいことでしょう。帰省する時間や費用面での余裕が仮にあったとしても、年齢を重ねてくればどうしても体に不調は出てくる。そうなったときに、たとえば夏のお盆前にお墓をきれいにしたいと思ったとしても、とてもその余力はない……。遠くにあるお墓というのは、大事にしたい気持ちがあってもなかなか思うに任せないものです。

霊園の管理者には霊園の使用料や管理費を払いますが、その「管理」に含まれるのは通路や水場などの共用部分の清掃まで。それぞれの墓地区画までは清掃の対象にはなりません。ですから、お墓の持ち主が自分でケアしなければいけないのです。

そんなニーズにこたえるために、最近ではお墓参りを代行するサービスが登場しています。サービスの内容は業者によって異なりますが、草取り・掃除はもちろん、墓石のクリーニングや撥水剤によるコーティング、水鉢や花立、香炉のクリーニングなども行ってくれます。また、お線香やお花を手向けてくれるプランもあるようですね。作業の前後には合掌礼拝を行い、さらに作業開始前と完了後にはお墓の状態を写真に撮って送ってくれるというサービスもあります。

df9ac5e781080ef92817f6f994025dee_sさて、皆さんもっとも気にされるのが「お墓のお世話を代行でお願いしてしまっていいのだろうか?」ということでしょう。もちろんご自分でなさるのが一番いいのですが、上で触れたようにどうしても難しいということは多いもの。このような場合には、代理をお願いするのはまったく問題のないことです。
江戸時代の昔から、誰かにお願いして神仏にお参りすることは日常的に行われてきました。これを「代参」といいます。江戸時代、庶民の間ではお伊勢参りが流行していましたが、徒歩で往復する伊勢神宮への旅はかなり身体的に厳しく、また費用面でもばかにならないものでした。とても毎年行くことはできません。そこで集落ごとに代表を立て、お金や食べ物を集め、「伊勢代参」として伊勢神宮へ出かける……ということが行われていたのです。各家持ち回りで行われていた伊勢代参は、集落の規模によっては何十年に一度しか回ってこない名誉なお役目。しかも、伊勢神宮に着いてお参りをした後には、日頃一生懸命貯めてきたお金でちょっとした豪遊を楽しむこともできる……ということでしたから、多くの人にとっては一世一代の大イベントだったと言えるでしょう。お伊勢様だけでなく、江戸で流行していた富士講(ふじこう)でも代参は行われていましたし、各地の神社には「そこにお参りすればお伊勢様にお参りしたのと同じことになる」という遥拝所も設けられていました。
このように、お参りは「その場に行くこと」も大切ですが、なによりも気持ちをきちんと表現することがもっとも重要だと思われていました。ご自宅のお仏壇に手を合わせたり、折に触れて故人を偲ぶ気持ちをきちんと表せば、お墓の手入れを他の方にお願いするのは恥じるべきことではないのです。

おすすめのサイト:
お墓の生花がなくなり次第お飾りします。神奈川県綾瀬市の墓地・霊園 “綾瀬中央霊園セントソフィア”
ご法事の前日にはご要望に応じでお墓を花で飾ります。東京都板橋区の墓地・霊園 “板橋ヒルトップセントソフィア”